現実的に、何歳ぐらいの人が矯正治療を行っているのでしょうか。初めて矯正歯科の元を訪れる年齢層は従来3つに分けられました。親に連れられてくる小学生低学年・自分で歯並びを気にしている中学高校生・成人や社会人の3つです。小学生・中高生歯近年、次第に接近して大きな1つの山になってきました。もう1つの大人のグループ(成人矯正)は、今後ますます増加していく傾向にあるようです。矯正が必要な患者さんでも、症状によっては或いは遺伝性の判断によって治療最適年齢というのは変わりません。八重歯・乱ぐい歯の場合、歯だけを動かせばよい症例ならば本来治療は何歳からでも可能となります。ただし、歯の移動の速さ、装置に対する順応の速さからいうと、若い方が明らかに有利ではあります。親と子が、スキーで同じ骨折をしていても骨の回復というのは子どもの方が早いのと同じ原理ですね。続いて「受け口」。子どもの場合、判定が難しくなります。遺伝的に下あごが大きすぎる受け口ならば、一応「若いうち」に下あごの成長を抑制させるような手段を講じます。しかし、治らない場合には、あごの成長が終わるのを待ってから手術という流れになってくるでしょう。あごの骨の成長は、身長が最大になる時期に併せてピークを迎えるとされています。男子ならば12~13歳、女子ならば11歳ごろまででしょう。その後、平均して男子で18~20歳ごろまで、女子で16~17歳ごろまで、そのスピードを急速に落としながら成長が続いていくのです。この間あごの成長も続きますが、下あごの成長速度は上あごに比べてずっと大きいのです。一般的に身長が100mm伸びるのに対し、下あごの骨は5mm以上は伸びると言います。その為、多少の矯正力であごの成長を抑制しても、成長力の方が勝ってしまうのです。