虫から「きのこ」が生えるというような噂を聞いたので、その様子の分かる「きのこ」図鑑を手に入れてみると、それはそれは不思議な構図で生えてくる「きのこ」であったので、驚きを隠せませんでした。皆さんは、昆虫や幼虫から、「きのこ」が生えてくる事がイメージできますでしょうか?その不思議な「きのこ」の名前は、「冬虫夏草」と言われる中国では漢方の1種として、珍重されるとても高価な「きのこ」なのです。じつは、日本でもあちこちで、「冬虫夏草」を発見する事ができるようなのですが、その存在に見慣れるまでは、なかなか探し出すまでに時間が必要ではあるようです。実際には、山や森林の中などはもちろん、都心の公園や街路樹の根本などにも、みつける事ができるようで、高温多湿である日本の気候を大変好んでいるようです。その姿は、「冬虫夏草」と呼ばれる所以でもあり、冬は「昆虫」や「幼虫」の姿をし、夏に「きのこ」として地上に現れるようなのです。どうして、冬が昆虫の姿であるのかというのは、昆虫や幼虫に冬虫夏草の菌が、寄生する事で、「きのこ」が成長できるような生態であるからのようです。昆虫や幼虫に、きのこの菌がパラサイトする事で、その養分を吸収しながら、「冬虫夏草」へと成長していく強いきのこなのでもあります。実際に、「きのこ」図鑑などを手に取ってみると、「冬虫夏草」が本当に、昆虫や幼虫の亡骸から、きのことして成長している事が分かります。本当に不思議な光景でありますので、皆さんも機会がありましたら、ご覧になって見て下さい。ちなみに、冬虫夏草は漢方としてのランクがあるようで、日本の多くの地域でみられる冬虫夏草と、高級な漢方として取引されているものとは、「菌類」の種類が異なるようですので、高価な漢方が、日本各地に眠っている訳ではなさそうです。